目次
1. 2026年という節目 ― 技術が「特別」から「前提」になる年
新年あけましておめでとうございます。本コラムも、本年最初の記事となります。2026年の幕開けにあたり、通信技術、特に5GとAIのこれからについて、あらためて考えてみたいと思います。
5Gの商用展開から数年が経過し、「高速通信」であること自体は、もはや特別な価値ではなくなりつつあります。一方で、昨年から一気に身近な存在となったAIの進化は、通信インフラに新たな役割を強く求め始めています。
通信は単なるデータ伝送手段ではなく、AI活用の成否を左右する基盤として再定義されつつあります。
2026年は、5GとAIが本格的に結びつき、通信が次の段階へ進む転換点になる年になると考えられます。
2. AIは「読む」から「見る」へ ― 映像AI時代の到来
現在、AIといえばChatGPTに代表されるようなテキストベースの活用が一般的です。
文章生成や要約、検索支援といった用途は、すでに業務や日常の中に溶け込み始めています。しかし、この流れは次の段階へ進もうとしています。
インターネットの歴史を振り返ると、黎明期はPCとダイアルアップ接続によるテキスト中心の利用が主流でした。それがブロードバンド化とともに、スマートフォンで映像を視聴することが当たり前の時代へと進化してきました。
AIも同様に、テキスト中心から、映像を前提とした活用へシフトしていくと考えられます。
映像解析、リアルタイム生成、遠隔支援、デジタルツインなど、映像AIの活用が進むにつれ、通信にはこれまで以上に安定性と即時性が求められるようになります。
3. NSA型5Gの限界と、SA化が進む理由
こうした変化の中で、現在通信事業者が提供しているNSA(Non-Standalone)方式の5Gでは、次第に限界が見え始めています。
NSA方式はLTEをアンカーとする構成上、
● 遅延の最適化
● トラフィック制御の柔軟性
● 用途ごとの品質設計
といった点に制約があります。
映像AIのように、リアルタイム性と安定性が同時に求められる用途では、これらの制約が顕在化しやすくなります。このため、2026年に向けては各通信事業者による5G SA(Standalone)化が着実に進むと見られます。SA化は単なる構成変更ではなく、5Gを用途に応じて最適化できる通信基盤へと進化させる重要なステップです。
4. 映像AI時代におけるローカル5Gの本質的な価値
映像AIの時代において重要なのは、「とにかく速い通信」ではありません。
求められるのは、必要なトラフィック量を、必要な品質で、確実に届けられる通信です。
映像データはトラフィック量が大きく、かつ継続的に発生します。ベストエフォート型の通信では、
● 想定外の遅延
● 帯域競合
● 品質のばらつき
といった課題が避けられません。
ここで大きな価値を持つのがローカル5Gです。ローカル5Gでは、
● 映像AIで必要となるトラフィック量を事前に見積もり
● カメラ台数や解像度に応じた無線・コア構成を設計
● 過不足のない通信システムを自ら構築
ことが可能です。
つまり、映像AIの処理量に見合った通信基盤を、自分たちで設計できる点こそが、ローカル5Gの最大の強みと言えます。これは、品質とコストの両立を求められる現場において、非常に大きな意味を持ちます。
5. 2026年は再び訪れる「わくわくする技術」の入口
ローカル5Gと映像AIの組み合わせは、すでに具体的な活用フェーズに入りつつあります。
例えば製造現場では、高解像度カメラによる外観検査や工程監視を映像AIで行い、異常をリアルタイムに検知する取り組みが進んでいます。
ローカル5Gを用いることで、必要な上りトラフィックを安定して確保し、AI処理をエッジ側で完結させることが可能になります。
また、インフラや設備監視、防災分野、イベント会場など、一時的または常時大量の映像データを扱う現場でも、用途に応じたトラフィック設計ができるローカル5Gは、非常に相性の良い通信方式です。
初めてインターネットに触れたとき、多くの人が感じたあの高揚感。
2026年に向けて進む5Gの進化とAIの広がりは、あの頃とよく似た期待感を持っています。テキストから映像へ、補助的なツールから社会を支える存在へ、そして通信は「裏方」から「価値を生み出す基盤」へ。
わくわくする技術は、まだ先の話ではありません。
すでに、すぐそこまで来ています。
最後までご覧頂きありがとうございました。
京セラみらいエンビジョンまちづくりラボ

京セみらいエンビジョンのラボでは、ローカル5Gネットワークを体感いただけます。 ラボ内には、Wi-Fi6の環境も構築していますので、ローカル5GとWi-Fi6の違いを同時に体感していただくことができます。
問い合わせ
