1. そもそもサイバー攻撃ってどうなの?
2025年現在、あらゆる機器がネットワークに接続され遠隔で仕事をすることが何も珍しくなくなりました。2019年頃から5Gが世に出て、翌年から感染症の流行により移動が制限されることが増えた時期がありました。これまでの出社して会社で業務をするスタイルからリモートワークへの切り替えが行われた時期であり、色々な機器がネットワークで繋がる流れを加速させた時期でもあったと思います。
大変な時期でもありましたが、その中でも発展した仕組みや制度、技術などによって日々の便利度も加速しています。
そんな中でよく耳にするようになった「サイバー攻撃」というワードです。
サイバー攻撃の数は年々増加しており、例えば5Gが始まる前の2018年と比較しても増加傾向にあり、手段も対象も多様化してきています。

(出典:警察庁サイバー警察局 令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/index.html)
少し前の時代では「サイバー攻撃かー、食らったら大変だろうなぁ。まあウチには関係ないか」なんて思っている方は多かったでしょう。しかし今では、ネットワークを一切使っていない人でなければ関係ないと言いきれない時代になってきています。
少し前の時代、主流の攻撃といえば企業の情報を人質にとるランサムウェアによる攻撃だったり、アクセスを集中させて攻撃するDDoS攻撃なんかが主流でしたが今はサプライチェーン攻撃(関連企業などにも影響がある攻撃)なんかもあり、子会社のネットワークの管理が甘くて親会社も被害を被るとか、取引先と共有しているシステムから内部のネットワークに侵入されてしまうとか、自分や自組織だけちゃんとしていてもダメ!という時代になってきているのです。
狙われる対象としても今までは大企業が主でしたが中小企業も対象になってきており、製造業は特に狙われやすくなっているので注意が必要です。
そんな中で、2025年の初めに偽基地局によるスマホユーザへの攻撃がありました。
狙われたのは中国からお越しになった観光客等が狙われたとのことですが、仕組みとしては日本人をターゲットにすることも可能です。そして対象ではなかった日本人のスマホユーザも一時的にスマホがうまく電波をつかめなくなることで通信が出来ない状況を生むという被害が発生しています。スマホの設定によっては(今回の攻撃に使われた)偽基地局に接続しないようにできる為被害を最小限に出来ますが、そんなことを知っているのは移動体通信に慣れ親しんだ人だけだと思います。このように「ただそこにいただけ」でもサイバー攻撃の被害にあう可能性がある時代になったということです。
前はニュースで見るだけだったものが自分の隣で発生しているかもしれないと思うと「いやーサイバー攻撃って怖いなー」と思いますよね。
そんな方に朗報です。ローカル5Gは非常にセキュアな通信をあなたに提供します。セキュアで安心ができる通信をあなたに!
ということでローカル5Gは何がどうしてどうなって安心なの?ってところを記載していきます。
マニアックな部分も突っ込んでいく予定ですが、なるべくわかりやすく(その代わり長くなりますが・・・)記載していきますので安心してご覧ください。
2. ローカル5Gのセキュリティの紹介その①
2-1. ローカル5Gとは
ローカル5Gという言葉を聞いたことがないという人はあまりこのコラムの読者にはいないかもしれませんが、簡単にローカル5Gって何というところを紹介させていただきます。
ローカル5Gとは自営で展開する5G網です。
皆様のお手元にある自分のスマホ、これは通信キャリアと契約をして使用している「パブリック」の通信網です。全国どこでも使用できますがネットワーク部分は通信キャリアに依存するため、自分たちが欲しい通信容量の確保ができなかったり人が多く集まるイベントなどがあると通信がひっ迫して使えなくなってしまったりします。
ローカル5Gは自分たち専用の5Gのシステムを用意して自分たちで使うというものです。
なので通信費などはかかりませんし、接続する機器や自分の土地の範囲内で電波を出す範囲も自分で選べます。ただし基地局の免許を取る必要があり、設備の導入費用などはかかってきます。
ローカル5Gは名前に「5G」と記載されている通り、規格が一緒なので通信に使われる仕組みはほぼ一緒です。(ローカル5Gだと機器が対応していない機能もあり、ローミングや警察・消防への緊急連絡なんかは機器によるのと、出来ない機種が多いです。)
ローカル5Gは機器によって値段が様々で、簡単に億のお金がかかるものや、サブスクのような形で月に数十~数百万で設置というものもあります。初期投資が大きくなるけど最初から高品質のものを使うのか、とりあえずお試しでサブスクを試すのか、スタートアップで取り急ぎ買取でも安いものを使うのかと色々選択肢はあります。
ローカル5Gに興味はあるけど導入とか不安だなあという方がいらっしゃいましたら是非弊社まで遊びにきていただければ色々ご案内できますのでご連絡いただければと思います。押し売りはしませんのでご安心ください。
5G自体は「大容量」「低遅延」「同時多接続」をウリにしており、無線インフラとしては非常に高品質で、さらにセキュアな通信が可能であるため、用途がハマるようであればかなり有用な無線通信ソリューションとなります。
2-2. ローカル5Gは安全なの?
それではようやく本題に入っていきます。
ローカル5Gは安全なのかどうかよくわからないという人がほとんどだと思います。先に結論を申し上げます。ローカル5G、というより5Gは非常に安全な通信経路です。
ではなぜ安全な通信経路といえるのかというと、「SIM」が大きく関与しています。
皆さんのお手元にも物理的なSIMや、最初スマホを使うときにQRコードとかで読み込むeSIMが入っていると思います。
物理的なSIMは上の写真のような小さいプラスチックのカードみたいなやつですね。大きさも色々あってこれはnanoSIMですが、もう少し大きいmicroSIMと標準SIMがあります。最近はほぼnanoSIMが使われているような気がします。日本では3Gの頃からSIMを使うのが主流となりました。なのでSIMの歴史自体は20年以上あるのですが未だにパワーアップして使われ続けている優れものだったりします。
このSIMの何が5Gを安全にさせているのか気になると思います。実はこの小さいカードの中には実はいろんな情報が入っています。
何が入っているのかというと、
・ IMSI:サービス加入者のIDみたいなもの
・ Ki:通信を暗号化するための鍵の大元
・ OPc:Kiを補助する鍵みたいなもの
・ ICCID:SIMカードのシリアル番号
・ 電話番号
・ PLMN:事業者の情報
などなど、ほかにも色々な情報が入っています。小さいカードみたいなものなのにすごいですね。
このSIMが持っている情報を使って本人確認であったり通信を暗号化したりするので通信自体がセキュアになるということです。ITインフラに詳しい人にイメージしやすいようにいうとIPsec+証明書方式で接続するVPNのようなもので、公開鍵などを使わないので強固ですよといった感じになります。そういうのよくわからないって人向けに簡単に表現するとSIMにはあなた専用の暗号を使って通信する仕組みがあるので他の人に盗み見とかされないよという感じです。
ここまでSIMすごい!と書いてきましたがSIMを使う通信の弱点はないのでしょうか。実は弱点があります。SIMの弱点はずばり「物理的な盗難」です。SIMを奪われてしまって、ほかのスマホに差し込めばなりすましができてしまうわけです。あとは取り扱うSIMの枚数が多いシステムだと、その分だけSIMの情報を管理する必要が出てくるので管理コストも考える必要があるといえばあります。ただし盗難も接続端末の管理も他の無線通信で発生するので明確な弱点になるかといわれると・・・微妙な気もします。逆に言えばSIMの情報の管理はほかの無線通信の管理と比べて難しいかといわれるとそうでもないので今お使いいただいているソリューションと比べると管理が楽になるという利点になる可能性もあります。
じゃあ盗難が弱点なんだったら盗難に関して何か対策ないの?とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は盗難に関しても5Gのシステムとして対策があります。が、これ以上書くと長くなってしまうので次回の5Gセキュリティ系コラムで紹介させていただきます。
3. まとめ
まずは第1弾ということでSIMのご紹介をさせていただきました。
多分このコラムを読んだ方で、ローカル5Gにあまり触れたことのない方は「仕組みはなんとなくわかったけどイメージがあまりつかない」と思われるかもしれません。
実際にシステムを見るとなるほどと納得できる部分もありますので、ローカル5GのSIMはどのように管理されているのかを見たいという方はぜひ弊社へお越しください。
5Gは本当に高品質な無線ソリューションであり、まだまだセキュリティ性を高める仕組みがあります。SIMを使った暗号化もどのような情報に暗号化をかけているのかという部分も紹介していきたいと考えておりますので今後もお楽しみに弊社のコラムをお待ちいただければと思います。
京セラみらいエンビジョンまちづくりラボ

京セみらいエンビジョンのラボでは、ローカル5Gネットワークを体感いただけます。 ラボ内には、Wi-Fi6の環境も構築していますので、ローカル5GとWi-Fi6の違いを同時に体感していただくことが出来ます。
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