マーケティングDX:属人化したデータ分析をAIで解消。レポート作成と共有を変えた方法

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本記事では、Alteryxで統合したデータをBIツール「ThoughtSpot」で可視化し、さらにAIを活用して分析や予測を行うことで、データ解析業務とレポート共有を効率化した取り組みをご紹介します。

1. はじめに

私たちデジタルマーケティング部では、Webサイト改善のPDCAサイクルを回すために、毎月データ分析を行っています。しかし、分析に必要なデータは複数のツールに分散しており、収集や整形に多くの時間がかかるという課題がありました。
前回のコラムでは、これらの分散データをAlteryxで収集・整形することで、手作業中心だったデータ処理を効率化した取り組みをご紹介しました。

本コラムでは、そのAlteryxで統合したデータをBIツールで可視化し、さらにAIを活用した分析・予測を行うことで、属人化していた解析業務やレポート作成をどのように改善したのか、その具体的な取り組みを紹介します。

2. 従来の課題

GA4の探索レポートは、自由度が高く、レポートタイプを選択したり、ディメンションや指標など変数の設定項目もカスタマイズが可能です。ですが、カスタマイズされたレポートは設定が複雑になりがちで、作成した担当者以外扱いにくいという属人化のリスクが生じます。また、目的の情報を得るために何種類ものレポートを設定したことから、月が替わると、増えたレポートの数だけ更新作業の手間がかかりました。
レポートの共有は、データをCSVやExcelでエクスポートしPowerPointで報告資料を作成していました。
しかし、限定的な視覚化による共有や手作業による非効率性、さらにデータの鮮度・正確性の問題に加え、データは存在しているにもかかわらず必要な情報を迅速に取り出すことが難しいという課題がありました。そこで、これらの課題から脱却するために、BIツールの導入を検討しました。

3. BIツールの検討:なぜ「ThoughtSpot」を選んだのか?

機能も多く優秀なBIツールはほかにもありますが、ThoughtSpotに備えられた「AI機能」を活用することで、可視化だけでなく、分析業務も加速させることができると判断しました。私たちが専門知識の必要なBIツールを使いこなすために費やす時間よりも、対話するAIの進化のほうがずっと速いと考えたからです。

ThoughtSpotを選んだ一番の理由

「自然言語で検索ができる」簡単さです。専門用語や難しい計算式を覚えなくても、「先月のWebサイトの訪問者数を教えて」と話しかける(入力する)だけで、AIが回答(グラフや表の作成も可能)してくれることが決め手でした。
また、私たちからの質問に答えるだけでなく、AIが自動で分析し、「訪問者が急増した要因は新規ユーザーの増加です」といった重要なインサイトも提示してくれます。

4. 「ThoughtSpot」導入のメリット

従来のBIツールは専門家やアナリストのためのものでしたが、ThoughtSpotは「誰もがGoogleで検索するようにデータを使える」というアプローチにより、複雑な操作や専門知識は不要であることがわかります。
AIエージェント機能「Spotter」と自動インサイト発見機能「SpotIQ」を活用することで、チーム全員がリアルタイムなデータから瞬時にインサイトを得られるようになり、チーム全体でのデータ民主化と意思決定スピードの劇的な向上を実現します。

(表1)ThoughtSpot導入のメリット

メリット 詳細
業務効率の劇的改善 CSV/Excelによる手作業を自動化し、レポート作成時間を大幅に削減。削減した時間を戦略立案に充てられます。
リアルタイムデータ共有 ライブボード(ダッシュボード)で、リアルタイムデータを共有。最新データが自動更新され、チーム全員が同じデータを共有することで迅速な意思決定を促進します。
データ分析の民主化 Spotter(自然言語検索機能)とSpotIQ(機械学習機能)を活用することで、チーム全員がリアルタイムなデータから瞬時にインサイトを得られるようになり、チーム全体でのデータ活用を実現します。
データ精度の向上 手作業によるヒューマンエラーをなくし、常に正確で信頼性の高いデータに基づいた分析が可能になります。

5. より効果的にツールを使うために

ThoughtSpotは、パソコン内のファイルなどとも連携可能ですが、その性能を最大限に発揮させるためには、DWH(データウェアハウス)と連携させることが必要となります。今後精度の高い分析や予測を可能にするために、大量のデータを扱うことができ高速処理が可能な「Snowflake」の採用を決めました。

6. 3つのツールの連携で実現するデータ分析基盤

分析業務の効率化のために、それぞれ異なるデータ処理の役割を担う、Alteryx(加工)、Snowflake(格納)、ThoughtSpot(分析)という3つのツールを連携し、データ分析基盤を構築しました。

(図1)3つのツール(Alteryx、Snowflake、ThoughtSpot)の連携

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(表2)3つのツール(Alteryx、Snowflake、ThoughtSpot)の役割と機能

ツール 種類 役割 機能
Alteryx ETL/ELT データの収集・整形 GA4(BigQuery)のデータ抽出、複数ソースのデータ統合、クレンジングなど、CSVやExcelでの手作業を自動化
Snowflake DWH データの最適化・蓄積 Alteryxで加工された膨大なデータを、高速処理が可能な状態で蓄積
ThoughtSpot BI/分析 可視化・分析・予測 ライブボード(ダッシュボード)の作成自動化、自然言語検索、予測分析により、専門家でなくてもデータ活用を実現

7. 実感できた導入効果(Before/After)

削減した時間は、レポートを作る作業ではなく、「データから分かったことをもとに、次は何をするか」という、より重要な戦略を考える時間に充てられるようになりました。

(表3)ThoughtSpotの導入効果

項目 以前(手作業) 現在(自動化後) 効果
毎月のレポート時間 週20時間/月 週2時間/月 約90%の時間削減 戦略立案の時間に充当
報告の頻度 月に一度 月に一度
(ただし、毎日・リアルタイムも可能)
問題が起きたらすぐに気づき、すぐに対応可能
データの正確さ 人的ミスのリスクあり システム自動化でミスが大幅減少 信頼できるデータになり、間違った情報に基づく失敗を防げます。
データ活用のしやすさ 詳しい人しか扱えない チーム全員が使える データ分析の敷居が下がり、チーム全体のレベルが上がることを期待できます。

8. さいごに

デジタルマーケティングの現場では、データの量が増え続ける一方で、スピーディーな意思決定が常に求められています。従来のGA4の探索レポートに頼った属人的な分析業務では、その要求に応えることができませんでした。

ThoughtSpotの導入は、単なるGA4の「探索」機能の代替ではなく、チーム全体のデータ活用レベルを向上させる効果をもたらしました。特にThoughtSpotのAI機能により、専門知識の有無にかかわらず、誰もがデータから瞬時にインサイトを得られる時代が到来したことを実感しています。

本コラムが、皆様の組織において、データ活用の民主化と意思決定スピードの向上を実現するための参考となりましたら幸いです。





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