ビジネスのスピードが加速する現代において、データに基づいた迅速な意思決定は必要不可欠なものとなっています。しかし、従来のBIツールでは専門知識が必要とされ、データ活用が一部の担当者に限られてしまうという課題がありました。ThoughtSpot(ソートスポット)は、アナリストのような分析スキルを持たないビジネスユーザーでも内蔵されているAIを駆使し、自分が必要とするパーソナライズされたインサイトを簡単に引き出し、迅速な意思決定を可能にします。
今回は2025年6月11日(水)にThoughtSpot社と共催したウェビナーの内容の、ThoughtSpotがどのようにAI・生成AIの機能を使い、新しいデータ分析のエクスペリエンスを提供しているのかをご紹介いたします。
データ利活用は、BIからAIの時代へ
BIツールは年々進化しており、従来型のダッシュボードでは時代のニーズに合わなくなってきました。
まず「ダッシュボードからスタートする」というやり方だと、自分だけの視点で分析ができなくなってきています。逆にすべての人が使えるようにデータをすべて入れたダッシュボードを使用していると、不要な機能が多くて重くなることが出てきます。また、パーソナライズされたダッシュボードを作ってしまうと、個人に依存してしまうためBIチームへの変更が多くなり、大規模展開が難しくなっています。
実際にダッシュボードを積極的に使っているユーザーは少なく、不満を持っている方も多くいらっしゃいます。
そのような中でThoughtSpotはダッシュボード開発が不要なため、現場の人がWEBで検索したりAIにチャットで聞いて解決できるようになっています。そのため習得時間が短くて済むのが特徴となっています。
また、データはリアルタイムにデータソースに問い合わせをして最新情報を使うため、全員が同じデータを見て会話することができます。AIも搭載しており、AIを活用してさらにAIの回答が性格なのか検証することも可能となっています。こういった特徴から近年ThoughtSpotの活用が広まっています。
ThoughtSpot事例について
下記3社とも従来型のBIツールから置き換えた事例となります。
3社の共通点としては、ダッシュボードが多々あったものが数件のダッシュボードと検索で対応することができるようになっています。これに伴い大量のデータをリアルタイムで全員で活用できるようになりました。
データ活用基盤について
みなさんが活用したいデータというのはどのような状態でしょうか?ここでは4つのケースを考えてみました。
例えば、特に整備などされている基盤がない、ということであれば、まず手元にあるファイルを分析してみたい、というところから始まるかと思います。次によくあるケースとしては、様々なシステムがあって、そこからCSVをダウンロードできるので、それらをいくつか組み合わせて分析したいようなケースもあるかと思います。さらにデータが整備されてくると、様々なシステムのデータが一箇所に集約されてはいるけど、十分なデータクレンジングなどされておらず都度加工して使うようなケース。これはいわゆるデータレイクが構築されているようなケースです。進んでいれば、データウェアハウスと呼ばれるデータベースに集約されており、そこにつなぐだけですぐに分析ができるような状態です。
BIツールはThoughtSpotに限らず、データが整理されている状態になっている必要があります。AIやBIツールは一般的に、データクレンジング機能が得意ではないため、データを使える状態に加工しておく必要があります。特に、可視化を行いたいものが複雑な場合は、事前にデータの加工が必要になります。つまりBIツールを活用するには、データ基盤の整備が必要となります。
それではデータ基盤の整備について見ていこうと思いますが、その前に、まずデータが集約されていないとどうなるか、というデータ分析の課題を少しお話します。

データ分析の課題の1つ目の「複数のデータソースを利用する企業が9割」というのは、企業内のデータソースが多岐にわたっている、ということです。
2つ目「データやデータソースの特定にかかる時間が約4割」というは、欲しいデータがどこにあるのかを探すのに時間がかかるということです。たくさんのデータソースがあると探すのも大変ですよね?
3つ目は、それらの課題を含めて「分析作業の準備にかかる時間が8割」といわれていて、データの加工、例えばNull値をどう扱うか、どのデータをどのマスターと組み合わせて集計を行うか、などデータを加工して人間が判断できるまでもってくる準備のところに時間がかかるということを指しています。
上記の課題を画にしてみました。
左側に様々なシステムのデータがあり、右側がそのデータを使いたい人、ビジネスユーザーとアナリストです。それぞれ使いたいデータに個別にアクセスします。様々なところにデータがあるのでデータの存在の見落としもあるでしょう。また、それぞれ好きなツールを使って分析作業をすると思います。それぞれが個別に分析するということは、データ加工方法も様々です。
これによって、人によって指標が異なることがあるということです。売上を報告するのに、データソースも異なれば、フィルタ設定が異なることもあるでしょうし、果たして会議に出ているメンバーが同じ数字を見ているのでしょうか?
つまり、個別にセルフサービスBIを導入して個々に分析したとしても、データ分析の課題は実は解決していません。時間のかかるデータ準備作業が個別に実施され非効率ですし、指標が統一化されないなど、ガバナンスの問題も発生し続けている、ということです。
この課題を解決する方法は「組織のだれもが一元的にアクセスできる場所を構築する」のがポイントです。これがデータウェアハウス導入です。これにより、準備の整ったデータに誰でもアクセスできるようになり、データ準備の重複の問題の解決や、指標の統一化がはかれます。
データウェアハウスとは、様々なシステムからデータを収集し、統合、利用者がデータを扱いやすい形で保存するデータの保存場所です。データウェアハウスで必要とされる機能としては、大量のデータを保管できる大容量ストレージ、データのインプット・アウトプットが自由にできるような高いパフォーマンス、機密データへのアクセスと制御ができるものです。特に大容量のストレージ、高いパフォーマンスという点は、クラウド型のデータウェアハウスによって大きく改善しました。当社では、このデータウェアハウスとして取り扱いやすくバランスの取れた「Snowflake(スノーフレーク)」を推奨しています。
次に、データ準備についてお話します。データ準備は各データソースからデータウェアハウスにデータを投入し加工しておきBIツールや各ツールから使いやすい状態にしておくことを指します(下図オレンジ色部分)。大量のデータになると、データを外に出さずデータウェアハウス内で加工すると非常に高速に効率よく準備ができます。当社ではこの部分に「Alteryx(アルテリックス)」というETL処理をノーコードで行えるデータ分析ツールをご提案させていただいております。
Alteryxはオンプレミス、クラウド、それぞれの環境向けに異なるツール、オンプレミス用にはDesigner Desktop、クラウド向けにはDesigner Cloudというツールを提供しており、それぞれの環境のデータに対してデータ準備およびデータウェアハウスへの投入が可能です。またノーコード・ノンプログラミングで使えるため、プログラミングなどの専門的な知識がなくても活用できるツールとなります。
おわりに
当社は全社員が利用可能な最終的なデータ分析基盤として、Alteryxでデータを準備してSnowflakeにデータを蓄積し、ThoughtSpotでデータを可視化する攻勢をご提案しております。ThoughtSpotの導入支援の一環として、Alteryx、Snowflakeを使ったデータパイプラインの構築のお手伝いを行っておりますので、データ活用においてどこか一部でも課題をお持ちでおればお気軽にお問い合わせください。
ウェビナー資料
ThoughtSpot

ThoughtSpot(ソートスポット)は、誰でも気軽に使えるBIツールを目指した製品です。特別なスキルを必要とすることなくキーワード検索やデータ分析をすることができ、分析結果はダッシュボードで確認することができます。
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