これまで20年以上にわたり、BIツールを使って"ダッシュボードを作って見る"というスタイルが、データ分析の主流を担ってきました。しかし昨今、データ量の爆発的増加、クラウド環境の進化、そして生成AIの普及により、従来型BIの限界が見え始めています。
今回は2025年8月26日(火)にThoughtSpot社と共催したウェビナーの内容から、ThoughtSpotがどのように新しいインサイト体験を提供しているのかを、最新事例とともにご紹介します。
従来型BIが抱える課題
従来型BIの課題の一つに、"可視化"そのものが目的になっている点が挙げられます。従来型のBIツールで提供している静的なダッシュボードは、一度作ってしまうと、ビジネスの環境の変化や新たな分析のニーズに対応することができません。結果として、とりあえずレポートを作る、もしくはとりあえずCSVでダウンロードするといった、本来の目的である"洞察を得る"から離れた活動になりがちです。また、シンプルなダッシュボードでは情報量が少なく深い示唆が得られない一方で、情報量を増やすとシステムが重くなり、ユーザビリティが大幅に低下するというジレンマに陥ることがあります。
二つ目の課題は人的リソースの問題です。多くの企業では、ユーザーが新しい分析をしたいと思った時、BIのエキスパートに要件確認、ダッシュボードの作成、修正、再作成を依頼するというサイクルを繰り返しています。複雑な変更が必要な場合は、データエンジニアへの依頼が必要になるかもしれません。つまり、データから答えを得たいと思った瞬間から実際に答えを得るまでに、数日から数週間のタイムラグが生じてしまうことがあります。
AIがアナリティクスをどう変えるのか
現在、データ分析市場では継続的な進化が起きています。ダッシュボードツールから始まり、単語、自然検索、そして今回ご紹介する「ThoughtSpot(ソートスポット)」では、AIエージェントを搭載し、自立型のデータ分析ツールへと進化を遂げようとしています。
従来型のBIツールが主に取り組んできたのは、ダッシュボード、可視化の領域でした。
AIエージェントとは、AIが単に質問に答えるだけでなく、自ら考えて行動します。例えば、「今月の案件の売り上げはどうですか」と尋ねると該当する数字やグラフを表示するだけですが、「売上を上げるにはどうしたらいいですか」と尋ねることで、AIが自動的に地域別、商品別、時期別のデータを分析し、改善案を提案してくれるようになります。
この機能があることで、BIの専門家がいなくても、全社員がデータサイエンティストのような深い洞察を得ることができます。
ThoughtSpotについて
今までは答えがありそうなダッシュボードを探し、ダッシュボードが見つからなかった場合は専門家にダッシュボードの作成を依頼する流れだったかと思います。場合によっては欲しいデータは見つからず、結局ExcelやCSVでデータを加工することも多くあったかと思います。つまり、答えを探す作業に膨大な時間を費やしていたのです。
一方でThoughtSpotは知りたいことを聞くことでAIが回答を出してくれます。出てきた結果に対して深堀をしたい場合は、さらに質問をすることで洞察を得ることができます。
また、多くのAI分析ツールでは、なぜその回答にたどり着いたのか過程が見えません。しかし、ThoughtSpotはAIがどのような条件で分析しているのかを可視化しており、条件に誤りがあれば自分たちで容易に修正を行うことができます。
ThoughtSpot Agetic MCPサーバーについて
MCPサーバーは生成AIと外部のサービスなどを連携させるための技術です。Claudeを提供しているAnthropic社が開発したオープンな規格です。これにより、MCPクライアントと外部サービスが連携できるようになります。多くのMCPサーバーはMCPクライアントを使っているPCにそのままインストールするタイプが多く、この作業をコマンドラインなどで実施するため、ある程度のITリテラシーが求められます。
一方で、ThoughtSpotのAgentic MCPサーバーは、ThoughtSpot社が提供しているサーバーなので、自分でインストールなどせずとも設定だけで利用可能です。自分のPCにインストールすることも可能です。実際MCPサーバーがどのように動いているか、ですが、何か知りたいことをMCPクライアントのチャット画面に入力すると、MCPサーバーに対してMCPクライアントから問い合わせを行っていきます。MCPサーバーはThoughtSpot内のSpotterに対して問い合わせをかけ、Spotterがさらにデータソースに対してクエリを投げる、といった動きになっています。
導入事例
製造業の部品製造工程にThoughtSpotを導入した事例をご紹介します。製造過程である決められた基準値から外れてしまった仕様を素早く見つけ、その要因を特定する際に利用されています。エンジニアの方々が疑問に思ったことを質問すると、わずか数秒から数分でその答えを得ることができます。そして、製造工程に問題が発生しているかどうかを特定し、その理由を調べることができるようになりました。
これまではこうしたデータを整理して分析するのに数日かかっていたものが、劇的に短縮されたと聞いております。結果として歩留まりが向上し、品質不良が削減され、さらに分析効率も大幅に改善されたということで、非常に大きな成果を実感していただいております。
おわりに
ThoughtSpotは、専門的な知識がなくてもデータを可視化できます。BIツールを導入したけれど社内での活用が広がっていない方や、データを可視化したいけれどツールの使い方が分からず諦めていた方は、ぜひThoughtSpotの活用をご検討ください。
資料ではさらに詳しい事例をご紹介しておりますので、ぜひご確認ください。
※「Tableau」はSalesforce社が提供するサービスです。
※「Power BI」のMicrosoft社が提供するサービスです。
※「ThoughtSpot」は、ThoughtSpot社の製品です。
ウェビナー資料
ThoughtSpot

ThoughtSpot(ソートスポット)は、誰でも気軽に使えるBIツールを目指した製品です。特別なスキルを必要とすることなくキーワード検索やデータ分析をすることができ、分析結果はダッシュボードで確認することができます。
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