目次
1. PHSはいつまで使える?
PHSについて、いつまで使えるのかという点についてお話しすると、公衆PHSについては2024年3月にすでにサービスは終了しています。
それでは一般的に使われている構内PHSについてはどうかというと、『当面の間』利用可能です。この当面の間という表現は『今は使えるけど、そのうち廃止へ向かう』という意味を指しています。時期こそはっきりとしていませんが、そう遠い話ではないと考えておいた方が良いでしょう。
2. 新旧スプリアス規格
まずスプリアスとは、目的の周波数から外れた電波のことを指しています(不要波とも呼ばれています)。
このスプリアスがあまりにも強く発射されている場合、他の通信機器に影響や障害が起きてしまう可能性があるため、その強度について定められたのが、スプリアス規格になります。
現在の社会において、無線通信の需要が急激に高まってきたため、PHSにおいても、より周波数効率の良い通信方式で多くのユーザーが利用できるように新スプリアス規格が生まれました。
スプリアス規格について新旧どちらも当面の間利用することは可能ではあるものの、本来であれば、上記の理由から旧スプリアス規格については2022年11月末までとされていましたが、PHSの利用率が多い医療業界がその時期にコロナウィルス対応により、対応が難しかったため、延期になっています。
コロナウィルス対応が落ち着いてきた今、法改正やPHSの設備の老朽化なども考えると、早めに通信システムの検討を進めることを推奨します。
3. 新旧スプリアス規格の見分け方
今お使いのPHSが新旧どちらのスプリアス規格のものかを調べるためには以下総務省の検索サイトを使うのが良いでしょう。
■技術基準適合証明等を受けた機器の検索
https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=js01
もし判断がつかない場合はメーカーに問い合わせするか、弊社にご相談いただければ確認することも可能です。
4. なぜPHSが終了に向かうのか
前置きが長くなってしまいましたが、音声通話に関しては便利なPHSですが、なぜ終了に向かうのかご説明いたします。
4-1. スマートフォンの普及
今やスマートフォンは一般的に普及し、誰でも扱えるような時代です。
ゲームや仕事、管理など、あらゆるシーンでアプリケーションを利用し、利便性が図られています。
一方でPHSは音声に特化した通信方式です。音声品質は良いものの、効率化、多様化が求められる現状ではそのニーズは少なくなっています。
医療機器に影響を与えにくいということでPHSが医療業界に有効ではありましたが、現状では各医療メーカーも携帯電話の周波数に対応できるよう改良されています。
4-2. PHS機器の価格高騰
法的にもしばらくPHSは利用可能とは言え、PHS自体のシステムが老朽化しているケースは少なくありません。PHSの製造メーカーも激減しており、端末の値段もスマートフォンに近い価格帯になってきています。
4-3. 周波数効率が悪い
PHSは音声に特化しているところもあり、利用についてもほぼ音声サービスの利用が中心です。
スループットで見ても32kbpsと非常に低速なサービスのために、資源である周波数を割り当てるのはやはり非効率に思えます。
また、PHSは一つのアンテナ(無線機)に対し、同時接続が3台までしかできず、複数のアンテナを設置する必要もあります。
5. PHSに変わる通信方式sXGP
PHSが終了に向かう中、弊社では、次期PHSサービスとして、『sXGP(shared eXtended Global Platform)』を提案しています。
PHSと同様の1.9GHz帯の周波数を利用したTD-LTEの通信サービスで免許申請が不要なため、Wi-Fiのように簡単に無線設備を導入することが可能です。医療業界のようにナースコール連携、PHSの代替、PBX連携などができるため、次期PHS候補としては最適です。
sXGPについて興味がある方、ご相談については是非当社へお声がけ下さい。