1. AIとローカル5Gって合う?
2025年がスタートして2000年代も四半世紀が過ぎた現在、世間では様々な最先端技術に期待が集まっています。量子コンピュータ、ブロックチェーン、XR・・・そして何と言っても一番期待が集まっているのはAIではないでしょうか。そんな昨今世の中を賑わせているAIですが日進月歩でどんどん進化をしています。少し前には2045~2049年にシンギュラリティ(技術的特異点)がくるだろうという予測も飛び交っていました。今のAIの姿を見ていると確かに来るかもしれないと思わせるような発展具合です。
人手不足が様々な業界で問題になっている今、AIの成長と利用は社会としても急ピッチで進めていかなければならないと思います。
そして忘れちゃいけない移動体通信の最先端技術の一つである「5G」、特に企業・団体の皆様がある程度自由に扱える「ローカル5G」と「AI」、最先端×最先端の技術を組み合わせるとどのような事ができるのかというのを今回のコラムで記載をしていきます。
正直、最先端×最先端とだけ言われるとカッコイイ!みたいな感じは受けますが、最先端技術に精通している方でないと何ができるのか、何ができないのか、どのような効果が出るか予想がつきにくくなかなか一歩が踏み出せない部分かなと思います。
当コラムの筆者はAIにそこまで詳しいわけではないですが、ローカル5Gにはめっぽう詳しいので「ローカル5G技術者から見た」AIとの組み合わせという部分で紹介をいたします。
先に結論を記載しますが、AIとローカル5Gは「組み合わせ方によっては全然アリ」だと思いますし、AI単体、ローカル5G単体で使うよりも組み合わせたほうがいい場合もあります。
ただAIの内容によってはローカル5Gと別にくっつけても相乗効果はないなというものもあるのでそういった部分も含めて紹介していきます。
2. AIとローカル5Gの組み合わせを考える
災害発生時にスマートフォンや携帯電話のモバイルネットワークが利用困難になる主な要因には、以下のようなものがあります。
2-1. ローカル5GとAIの組み合わせの前提
ローカル5GとAIを組み合わせるにあたってまず前提として考えるべき部分はAI、ローカル5Gとは何ぞやというところになると思います。
5Gは無線通信の最先端技術でpublicでもprivateでも世界中で使用されている技術です。低遅延、大容量、同時他接続という特徴を持っており、SIMによる認証を行うためセキュリティも担保できる技術です。
ですが、言い方が悪いとただのデータを流す技術、他の物で例えると水道管やガス管のような土管にすぎない技術です。最先端の土管って感じですね。
そしてデータのやり取りだけを考えるのであれば安定性、速度はぶっちぎりで「有線接続」が強いです。無線通信は多くの通信で電波を使用しますが、電波は反射や回折、減衰をし、それらが視認できるわけではないので電波がどのようになっているのか把握するのが難しい、どのように電波が劣化するのかを予想するのかが難しい為、有線接続のような物理的な線を使うほうが圧倒的に状況も分かりやすく安定もします。5Gは全方向に対してめちゃくちゃ強い夢の通信!というわけではなく、データ通信の一つの方法で、他の通信と比べて優れたところが多い通信というのがが5G、ローカル5Gとなるわけです。
5Gをわざと貶すような書き方をしましたが有線に比べてクライアントの設置に対しての柔軟性や、配線を考えなくていいというのは無線接続に軍配があがるので、どちらの利点を取るのかは状況次第といったところでしょう。
あくまで通信手段の一つという部分を認識してもらえればいいかと思います。
一方でAIというのは色々な方が入力したものに対して適切なレスポンスを返すことができるよう、AI自体に学習をさせ、学習した情報を元に様々なアウトプットを行う技術になっております。ディープラーニングによる学習の効果はすさまじく今や人と会話ができるようになってきています。
とはいえ、完全に人間と同じような思考ができるかというと現在はそこまでの性能はないと思います。それぞれ使用用途に特化したAIに学習をさせてやっとこさアウトプットを行えるツールとなります。そして学習をさせた範囲でしか動けないので学習をいっぱいさせてやる必要もありますし不慮の事態に対応はできません。(このあたりは時代が進めば対応できそうな気もしますが・・・)
AIも何でもできるツール!というわけではなく、今現在は人間のサポートを行うツールにとどまるわけです。今までの既製品に比べ自由度は非常に高く柔軟であるという強味はまさにAIといったところでしょうか。
AIとローカル5Gを合わせようとしたときに、5Gの強みである大容量、低遅延、同時他接続でセキュリティが元から強固であり、クライアントを柔軟に扱えるという点と、AIの強みである自動的かつ柔軟なアウトプットがあまり時間をかけずに行えるという点、これらを掛け合わせることで正に未来のソリューションが生まれる可能性があると思います。
逆に極端な例ですが、遅延があってもよく単一ユーザが軽いデータをやり取りするのみで、画一的な動きを行うソリューションであればAIと5Gを掛け合わせて使う意味はありません。
どのようなサービスがAI+ローカル5Gとして意味があるものなのかを考えてみましょう。
2-2. 実際に考えてみる
では実際にAIとローカル5Gを組み合わせを考えていきましょう。
今回はせっかく題材にAIを使っているのでAIさんに「AIとローカル5Gを組み合わせた有効なソリューション例を教えてください」と聞いてみました。
何回か聞いていると面白いソリューションを考えてくれました。
上記が例になるのですが、基本的にはローカル5Gで情報を高速で収集、AIサーバが判断を行って現地にフィードバックを行うという使い方が5G×AIのいい使い方に思えます。
自動運転なども車にAIを搭載するのではなくローカル5GでAIサーバと接続し複数台の車両をAIに管理してもらったほうがコストが抑えられる可能性もあります。
また、AIについてはAIが一番わかってるんじゃないかということでChatGPTとローカル5Gを組み合わせた面白いソリューションをChatGPTに考えてもらいました。
抜粋にはなりますが今の世にはないものを提案されました。
内容を見ると・・・正直これは有線接続でいいんじゃないかなと思われるものでした。
しかしAI実況を元にAIとローカル5Gを使った新しいコンテンツを考えると、ウェアラブルデバイスなどでスポーツ選手のデータをローカル5Gで収集し、AIで各選手の状況をパラメータ化し好きな選手がどういう状況で何を考えてスポーツをプレイしているのかを見れるようにするというのは面白い気がします。
そこに各選手目線などの動画データもローカル5Gであればリアルタイム共有することが可能であり、目線とパラメータを元にAIが解説するというのも面白いかもしれません。
スポーツ選手であれば動く事が前提なので有線接続で選手を拘束するわけにもいかないのでローカル5Gとの親和性は高そうに思います。
新しいコンテンツとして記載しましたが結局はローカル5Gで情報収集をしてAIが解析という動きは最初の例と変わらない為、ローカル5GとAIを組み合わせようとするとそういった組み合わせになるのだと思います。
なので、AIとローカル5Gで新しいサービスを作ろうとする場合、ローカル5Gで何のデータを収集してAIで何を誰向けにアウトプットするのかを考えると良いのかもしれません。ローカル5Gの低遅延を最大限に使用し、集めたデータをAIに解析させることで状況によって多彩な出力が行える柔軟性を活かす使用方法なので挙げた例としては前段の部分にマッチしています。
おそらくもっともっといい組み合わせもあるとは思いますが、ローカル5Gの担当者が考えるAIとの組み合わせ例ということで参考にしていただければと思います。
3. ローカル5GとAIのまとめ
ローカル5GとAIの組み合わせは互いが最先端技術である為まだまだ進化するものであり、進化の仕方によっては今では考え付かないような意外な組み合わせも出てくると思います。
ローカル5Gはこれからネットワークスライシングやマルチテナント、更なる低遅延などユーザの選択肢が広がるような進化を行うベンダーが多くなります。AIもニュースを見ていると本当に日進月歩でできることが増えていて進化に驚くばかりとなっています。
最先端技術はいつの日か枯れた技術となり、世の中では当たり前の技術になっています。
当たり前の技術となった後に知識を仕入れ追いつこうとすると膨大な情報によって習得が難しくなっているなんていうことは多々ありますので、皆様もローカル5G、AIに興味を持っていただき情報を能動的に取得し何ができるのかを整理し考えてみてはいかがでしょうか。
弊社まちづくりラボに遊びに来ていただければ当コラムの筆者とこういった話をすることも可能ですのでご興味ある方は是非お越しください。