1. さぁ!ローカル5Gの導入だ!まず何をするんだろう
多くの会社で新年度が始まり、新入社員も入社し少しずつ社内が落ち着いてくる時期となりました。
この時期から下期や来年度への設備導入として様々な検討をされる方が増えてくるのではないでしょうか。
会社からDX化を推進!と方針があったもののどうしようとお悩みの方も多いと思います。
そしてその検討の中に最近じわじわと皆さんが興味を持たれてるローカル5Gも検討材料の一つとして加わってきていると思われます。(加わってるといいなと思っています)
そして検討の末にローカル5Gを導入しよう!と決めた際に皆さんが大体思われることが「ローカル5Gを導入するにあたってまず何をするんだ・・・?」という部分です。
導入についての検討については先日「ローカル5Gの導入検討ってどうするの?」という記事で記載をさせていただきました。
今回は決めた後に何をすればいいんだろうという部分について、「まずはここ!」というところの記載をしていきます。
2. 実際に動いてみる
2-1. まずは求めているものを明確にする
ローカル5Gを導入しようと決めたら実際に動き出しに入るわけですが、ゴールが明確になっていないと詳細な検討に入っていけません。
「何を」「どのレベルで」「いつまでに」をしっかり決めましょう。
何をするかという部分についてはローカル5Gを導入検討する時点で決まっているという方が多いと思います。
どのレベルで、という部分についてはサービスを実施する為の通信要件の確認と実際に通信要件とコスト面を満たせる機器選定をする必要があります。
例えば、通信としてはエリア移動を行う必要があってある程度のスループットが出ればいい、エリア間移動の遅延についてはそこまで厳密に管理しなくていい、という条件であれば、コスト面から考えてRAN一体型のローカル5Gシステムが該当してくると思います。
エリア移動の遅延も少なく通信容量も確保したい、多くの機器を接続したいとなると一体型以外の製品が当たると思います。
そして各ベンダーが売り出しているローカル5Gにはその製品にしかない『売り』があります。
当社が取り扱っているQuanta Cloud Technology社(以下、QCT)製のOmniPODだと下記のような特徴になります。
特徴 |
得意度 |
備考 |
可用性 |
〇 |
Coreが冗長化されているのでローカル5Gの中では高可用性 |
機密性 |
〇 |
ローカル5Gで専用のSIMを使う為確保されている |
完全性 |
〇 |
ローカル5Gで専用のSIMを使う為確保されている |
エリア柔軟性 |
〇 |
Gatewayに複数RUを接続し1つのPCIでエリアが作れる |
エリア移動 |
〇 |
上記によりHandOverの遅延発生が少ない |
ハード柔軟性 |
△ |
使用サーバはQCT製のみ可 |
持ち運び |
△ |
機器を移動させる場合RANの機器が3つ(BBU、FHGW、RU)とUPFを持ちはこぶ為一体型に比べたら大変 |
設置しやすさ |
△ |
上記と同じ |
カスタマイズ |
△ |
サーバがQCT製のみ可であるため |
操作性 |
〇 |
EMSが使いやすく運用はやりやすい |
通信容量 |
〇 |
他ベンダーと比べても全然問題ないレベル |
端末間相互通信 |
× |
端末の相互通信(電話等)は直接行えない。 |
QCTの『売り』はコスパと可用性になります。
こういった機器を選定し、いつまでに導入しなければならないのかを明確にすることで、使用するローカル5Gシステムが決まってくると思います。
使う機器が明確になったらベンダーや代理店に問い合わせをして可能であれば接続実験をしてみましょう。
問題なくサービスが実行できるのかどうかを確認することも非常に重要です。
2-2. 免許の調整と有資格者の準備
ローカル5Gを使用するには基本的に無線局免許を取得する必要があります。
無線局免許には一般局免許と実験局免許とありますが、自社内で使用する等の場合は一般局免許を取得することになると思います。
この免許の取得が非常に難しく、専門知識がない方だと、そもそも何をどう申請していいのかわからず、闇雲に時間がかかります。
免許の取得に慣れていないということであれば、ローカル5G購入の際に免許の相談をするのをオススメしますが、自分たちでやりたいということであれば免許申請に係る情報を取得、整理する必要があります。
例えば下記の情報です。
①機器の詳細なスペック、技適などの対応状況
②機器構成、使用するUE
③設置場所周辺のローカル5G使用状況
このような情報が必要となりますので早めに取得をしておきましょう。
また無線局免許を取得すると同時に無線従事者の免許というものも必要になります。
無線従事者の免許は陸上や海上、航空と分野に分かれて存在していますが、ローカル5Gの運用であれば第三級陸上特殊無線技士免許以上を取得されている方が必要となります。
導入後は無線従事者制度により免許陸上特殊無線技士免許を持った方がローカル5Gの操作、管理を行う必要があり、無線設備に何かあった際に電波の発射を止める必要も出てくる為、1名でなく複数名の免許取得者が必要になることも認識しておく必要があります。(1名だけだと突発対応で深夜帯や休日に装置に張り付いて管理する必要が出てきます。現実的ではないですね)
第三級陸上特殊無線技士であればCBT方式のテストを通年で受けられますので、複数人で学習を行い早めに取得するのがオススメです。
免許取得には時間がかかります。電波を使用する為の免許を得ることに慣れていなければ尚更時間がかかるものなので導入決定からまずは免許について動き出すのがオススメです。
3. まとめ
以前は導入検討、今回は導入開始について記載をしました。
私たちもお客様と普段会話をさせていただく中でやはり目的が明確であり、免許取得について知識があるお客様というのは導入開始までの流れがスムーズだと感じます。
導入開始になったらどうするんだろうというのは実際になってみないとわかりにくいところですが、こういった情報を元に検討中にシミュレーションをしていただくと導入開始からスムーズに動けると思います。
導入検討、導入開始、運用に至るまで弊社にご相談いただければお力になれる部分も多々ございますので是非困った時はお声がけください!
ローカル5G導入支援サービス
京セラみらいエンビジョンまちづくりラボ

京セみらいエンビジョンのラボでは、ローカル5Gネットワークを体感いただけます。 ラボ内には、Wi-Fi6の環境も構築していますので、ローカル5GとWi-Fi6の違いを同時に体感していただくことが出来ます。
詳細を⾒る