1. 今年は色々な分岐点や変化がある年
2026年も早3か月が経とうとしており、4月からの新生活や新しい業務に就かれる方も多い時期となりました。今年は色々な分岐点や変化が多い年となるかと思います。世界でも様々な動きがあり日本も影響を受けています。国内でも政治で大きな動きがあり単純な分岐ではなく様々な動きが絡む年となりそうです。
ローカル5G、移動体通信にとっては変化の年になると思います。3GPP Release18が2024年に標準化され、2025年あたりから世界各国で導入され始めています。Release18から5G-Advanceと表記するようになり、2026年は5G-Advanceを目にする機会が多くなる年になるんじゃないかと思っています。ローカル5Gも実証実験がある程度落ち着いてきて、産業用途として今まで以上に活躍するのではないかと見込まれています。
ローカル5GにRelease18を実装するのはまだ先になりそうですが、Release18には産業用途向けの「eRedCap」やハンドオーバーの高速化などが盛り込まれていて発展形が想像しやすくなっています。
移動体通信の業界にも新たな風が吹く為、やはり変化がある年だと思います。
実は弊社もまさに今、変化の真っただ中となっております。弊社Webサイトでプレスリリースを掲載しておりますが、2026年4月から京セラコみらいエンビジョンは親会社である京セラコミュニケーションシステムと合併致します。
今よりももっと技術力が向上しパワーアップ致しますので是非、ローカル5Gで何かご要望ございましたら京セラコミュニケーションシステムまでご相談ください!弊社が取り扱ってきたQCTのローカル5Gシステム「OmniPOD」も次世代機の「OmniPOD2.0」となりますのでQCTファンの方も是非京セラコミュニケーションシステムまで!
と、宣伝はこれぐらいにして・・・
変化や分岐点に気づくには変化、分岐する前の状況を知らないと判断が難しく、それがいいのか悪いのかが分からず立ち止まってしまうこともあると思います。3月は年度末の企業様も多いかと思いますので、このタイミングでこれまで、つまり2025年末までのローカル5Gとこれから、2026年から未来のローカル5G予想までをコラムにしていきたいと思います。
2. これまでのローカル5G、これからのローカル5G
2-1. 2025年末までの5G
2019年に韓国、アメリカでキャリア5Gが世に出てきて、世界の移動体通信業界は5Gに熱いまなざしを向けることになります。それから少し進んで2020年、日本でキャリア5Gが正式にサービス開始となったのは3月でした。オリンピックイヤーではあったものの世界で猛威を振るった感染症の流行もあり私たちの生活様式は大きく変わった年となりました。この頃に実はローカル5Gの制度はスタートしていました。2019年12月にローカル5Gの免許申請受付を開始しており、2020年春ごろにローカル5Gも国内初の電波発射が行われ、キャリア5Gとローカル5Gは同じ時期にスタートを切ったのです。
ちなみに「ローカル5G」という言葉は日本独自のものとなります。ローカル5Gが始まる前あたりに通信キャリアがローカル5Gも敷設、つまりローカル5Gの帯域を使い始めるとしたら不公平だという論争が起き、じゃあ通信キャリアが特定エリア向けに占有できる5Gを置く場合はプライベート5G、企業や団体が自営で設置する5Gをローカル5Gと呼びましょうと決まりました。実は制度開始時から明確に通信キャリアと企業団体の自営網を分けて呼称し始めたのも日本独自となっています。
最初はNSA&ミリ波を使うことを主としていたローカル5Gですが、やっぱり使いづらいという声が多く2020年後半からSub6&SAのローカル5G機器が作られ、2021年の春ごろにはSub6-SAのローカル5Gが日本でも使われ始めました。NSAの基地局運用は4Gのアンカーが必要になる為BWAの免許も取得しなければなりませんでしたが、SAで運用できるローカル5Gが出てきたことで5G単体の運用が出来るようになり、またエリア設計もミリ波より楽ということもあってSub6ローカル5Gがメインで使われるようになりました。必要なものが少しずつそろってきた2021年は実証実験が多く発生し、ローカル5Gってどんなもの?すごいの?使いやすいの?と少しずつ皆様の耳にもローカル5Gという言葉が入り始めた年でした。2021年はまだローカル5Gの値段も高く、実験により課題も浮き彫りになってきたのでWi-Fiと比べて「コスパ」が悪いように映った年でもあると思います。
2022年も他者土地利用でのローカル5G免許申請や準同期での運用が制度化された年で実験を行うだけではなく制度を整えてローカル5Gの利用促進を図っていく動きがみられました。ちなみに弊社がQCT社のOmniPODを扱い始めたのも2022年です。またこの年から通信キャリアが提供する3Gが順次廃止となっていく第一弾としてKDDIが3Gを停波した年でもあります。2022年はまさに5Gがスタートして実用を見据えた年となっていたわけです。
2023年、2024年とローカル5Gをもっと簡易に導入できるよう様々な議論が始まり、海上使用や上空使用は2024年から議論されるようになりました。HPUEも制度化され、ローカル5Gの環境が徐々に整っていく動きを見せていた年になりました。ローカル5Gでは2024年ぐらいから徐々にRelease16対応をする、あるいは検討するベンダーが増えてきていて、技術的にもスタート当初より一段階ステージが上がった時期でもあります。UEも増えて弊社も2024年から5Gルータの取り扱いをしており、産業用途として最適と言われた5Gに制度や技術が追いついてきた時期でした。基地局数もこの時期に大きく増えており、ローカル5Gの使用用途が実験だけに留まらず一般局免許を取得して運用まで行われているというのが多く発生しました。通信キャリアではソフトバンクが3Gをサービス停止し、3Gを扱っているのはドコモだけという状況となりました。ドコモ3Gは2026年3月を予定しています。この記事を書いているのがまさに2026年3月なので、今月に一つの歴史が終わると考えると感慨深いものがありますね。
ここから去年、2025年はローカル5Gに関するサービスや環境が本格的に整ってきて、次のステージに向かう準備段階までやってきました。免許の申請が簡素化され導入スピードも上がり、今までにサブスクサービスや安価な機器類も多く登場したため本格普及への道が整った1年となりました。キャリア5Gも普及率やスループットは年々向上しており通信キャリア、自営問わず次世代通信の恩恵を受けられる環境が整ってきました。
簡素に振り返りを書いてみましたが、こう振り返ってみるとローカル5Gを取り巻く環境は刻一刻と変化しており、官民一体となって高速通信を普及させようというエネルギーを感じます。制度も技術も使いやすいものが出てきてまさにこれから一段階ステージがあがるように感じます。ステージが今まさに上がる瞬間、それが2026年なのです。
では2026年、すでに3か月が過ぎましたがどのような年になっていくのかを少し見てみましょう。
2-2. 2026年からの5G
2026年はまさに産業へのローカル5G利用が広がる年であると思われます。
RedCap対応のドングルの発売や、4.9GHz長距離通信の新規申し込みの終了、PHSなどの既存システムの更改、3G通信の廃止等々、大規模工場や倉庫などのローカル5G需要が高まる一年となるキーワードが続々出てきており、制度に関しても免許申請の一部電子化や、海上および空中利用も整ってきている為、これまで以上にローカル5Gが幅広く産業に関わる年となると思います。
さらに通信キャリアもHAPSの実用化に向けての年となり、Release18の機能も順次使えるようになる、ローカル5Gも合わせて移動体通信を取り巻く環境ががらっと変わる年となると思います。Release18からはついに「5G-Advance」となり、記憶に新しいLTE-Advanceのように使いやすく便利なパワーアップとなります。まだまだ先になりそうですが5G-Advanceは産業用の機能が多く予定されている為、ローカル5Gに実装できるようになると、また通信が一段階使いやすくなると思います。楽しみですね。
また弊社で取り扱っておりますローカル5Gシステム「OmniPOD」のニューバージョンである「OmniPOD2.0」が正式に発売される年でもあります。
新しいバージョンになることで使いやすい部分が増えており、ネットワークスライシングにももちろん対応している為、様々な利用シーンで活躍する1台となっております。静音化、消費電力削減、屋外用RU小型化などなど物理的にも使いやすい1台となっておりますのでご興味ございましたら4月以降は是非京セラコミュニケーションシステムまでご連絡いただければと思います。
また宣伝が入りましたが、2026年は5G産業革命元年となりそうな香りがする年となります。私も皆様も驚くニュースが飛び込んでくると思いますので是非業界ニュースに注目いただければと思います。
3. まとめ
3月末、弊社合併、2026年は色々ありそう、ということでいい節目かと考えこちらのテーマでコラムを記載してみました。少しずつですが6Gの話題が出てき始めて、これから5Gは後半戦に入っていくのか、あるいはまだまだ中盤戦なのか読みにくいところではありますが、機器や制度がこなれてきているので長く使えるシステムになってきていると思います。
ローカル6Gが登場するかどうかはまだわからないところではあるものの、6Gへ世代が進化したとしても技術部分は5Gと変わらない、正統進化と呼べるような部分も多々あると思われます。今のうちにローカル5Gに触れておくことで6G移行時に技術者が育っていることで導入検討、導入実施、運用をスムーズに行うことも出来るようになると思います。是非、この技術的にも制度的にもフェーズが変わりそうなこの2026年にローカル5G導入を検討してみてはいかがでしょうか。
新規導入や機器更改の要望も出てきています。私共にご連絡いただければご相談をお伺いさせていただきますので是非今後ともよろしくお願いいたします。
