INSサービスの終了でPHSは使えるのか

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1. はじめに

近年取り上げられているNTT東西のINSネットサービスの終了。
このニュースを受け、「INSサービスが終了したら、PHSも使えなくなるの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。今回のコラムについては、INSサービスが終了するにあたって、現在利用しているPHSにどのような影響があるのかについて書いてみました。

まず、NTT東日本、NTT西日本よりINSサービス終了のアナウンスがあり、以下のような発表をされています。

■申込受付終了日: 2024年8月31日(土)
■提供終了日  : 2028年12月31日(日)
■提供終了となるサービス:
 -INSネット64
 -INSネット64・ライト
 -INSネット1500

申込自体は2024年8月31日で終了し、2028年12月31日にはサービスが終了します。
これに伴って、現在利用しているPHSにどのような影響があるのでしょうか?

2. PHS利用者への影響

やはりINSサービスが終了するに伴って「PHSはそのまま使えるのか?」という点が一番気になるのではないでしょうか
結論としては「全く使えないという訳ではないが、次の音声サービスを検討した方がよい」と思います。

その理由としてはINSネットサービス網から同期(クロック)を取っている為、INSサービスが終了してしまうと、クロックがずれてしまい、近隣のPBX/PHSなどに干渉を引き起こし、PHS端末からの発信や着信ができなくなる。または圏外になる。もしくは通話できたとしても途切れが発生するなどの事象が発生する可能性があります

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INSサービス終了後、PBX/PHSの干渉を避けるためにアンテナ位置などの見直しや設置、あるいは制御チャネルの調整などで、ある程度工夫はできます。しかしながら、アンテナの再検討、他社との協議、再工事などが発生し、仮に再工事までできたとしても、干渉が発生していた場所ではPHSは使えないなどの問題も発生する事が予想できます。

それとは別に、PHS端末の高騰、老朽化なども考えると早めにPHSからスマートフォンへの端末移行を検討し、PHSに代わる次の音声用通信インフラを用意する必要があります。

3. PHSに変わる通信インフラ

PHSに代わるインフラはsXGPやWi-Fi通話、FMCやクラウドPBXなど、音声に関するさまざまな規格、サービスがあります。

■PHSに代わる通信インフラ

sXGP

PHSの後継規格として開発された、免許不要の1.9GHz帯を利用するプライベートLTE(LTEベースの自営無線通信)の日本標準規格

PHSと同じ周波数帯を使うことで今までと同様の使用感、音声品質で導入することができる

Wi-Fi通話

LineやSkypeなど、外部アプリを利用しての通話

手軽に使える反面、VoIPベースの通話の為、ベストエフォートの音声品質やトラフィックによる影響を受けるなどの側面もある

FMC(キャリアPBX)

キャリアが運営するPBX、キャリア電波が無いところでは

通話ができないため、不感地帯や一部電波の入らないところでの利用は対策が必要

クラウドPBX

比較的低価格で導入できるが、一部連携できるもの、できないものなど、サービスや価格帯が各社違うため、確認が必要

今使われているPBXや連携しているサービスとも合わせて自社において何が適切な音声サービスなのか、検討していきましょう。

4. 次期音声サービス候補のsXGP

様々な音声サービスがありますが、次期音声サービス候補としては以下の理由もあり、sXGPをおすすめ致します。

4-1. PHSと同等の使用感

sXGPはPHSの後継規格としているだけあって、周波数帯もPHSと同じ1.9GHz帯を使用しています。
そのため、音声品質含めPHSと構成含め、非常に近い形で利用することが可能です。
特にPBXやナースコールなどにも連携できるため、今まで利用していたシステムをそのまま利用できることが多いです。

4-2. 電波エリアを自由に設計できる

キャリア電波だとパブリックサービスゆえに、どうしても圏外が電波の弱い場所がある場合も。
一方でsXGPはプライベートネットワークの為、自由にエリア設計が可能です。
そのため、絶対に繋がらないといけない場所は、確実にエリア化することも可能です。

4-3. 高品質なVoLTEを利用することが可能

Wi-Fiなどで、外部アプリを使う場合、どうしてもVoIPで通信を行うため、ベストエフォートで通信している都合上、音声品質が悪く、音声が聞き取りにくい場合もあると思います。
一方sXGPにはVoLTE(Voice over LTE)と呼ばれる音声専用の通信帯域があり音声の為に帯域を確保しています。そのため、非常に途切れにくく、クリアな音声品質です。
QCI(QoS Class Identifier)も優先順位を高く設定しており、音声通信の利用に向いていることが分かります。

5. まとめ

INSサービス終了に伴って、PHSがどのようになるのかについて説明しました。
音声通信のインフラについてはすぐに検討する必要があります。
特に、今回ご説明したsXGPはPHSと同様の1.9GHz帯の周波数を利用したTD-LTEの通信サービスで、免許申請が不要な為、Wi-Fiのように簡単に無線設備を導入することが可能です。
医療業界のようにナースコール連携、PHSの代替、PBX連携などができるため、次期PHS候補としては最適です。
sXGPについて興味がある方、ご相談についてはぜひ当社までお声がけ下さい。