無線LAN(Wi-Fi)が不安定になる原因

  • Wi-Fi
  • 通信
  • ネットワーク

最終更新⽇:

掲載⽇:

無線LAN(Wi-Fi)の概要

近年Wi-Fiの普及は著しく、オフィスではもちろんのこと街中の飲食店や商業施設など利用できる場所が増えており、あらゆる場所でノートパソコンやスマートフォン、タブレットでインターネットが利用でき、便利になってきています。 しかし、その際にユーザーをしばしば悩ませるのが、通信が不安定になる、通信速度が出ない、接続ができないなどです。 Wi-Fiは無線の為、有線接続よりも安定しにくく、いざというときに困ります。業務にも影響するため、対策しておきたいという方も多いのではないでしょうか。 今回Wi-Fiの速度が不安定になる原因と対策について紹介します。安定しているWi-Fi環境は、社員がストレスから解放され、業務効率向上に繋がります。

無線LAN(Wi-Fi)が不安定になる原因

  1. 1.電波干渉が起きている
  2. 2.無線アクセスポイントに対する接続台数が多い
  3. 3.無線アクセスポイントからの電波が弱い
  4. 4.Wi-Fiの規格が古い
  5. 5.機器の不具合

Wi-Fiが不安定であることには、様々な原因が考えられます。原因になりやすい項目をひとつずつチェックして、問題を解決していきます。

1.電波干渉が起きている

無線アクセスポイント(無線AP)が発している電波はその他の電波と干渉すると通信状態が不安定になります。 特に2.4GHz帯では、1~13chまでの13チャネルがありますが、利用している周波数帯が独立しておらずチャネル設計によっては、 Wi-Fi同士での干渉が発生するほか、Wi-Fi以外にもBluetoothや、電子レンジ等にも使用されている周波数帯のため、電波干渉が起きやすくなります。 この場合は、チャネル設計を見直す。5GHz帯のチャネルを導入する等の対策が考えられます。

2.無線アクセスポイントに対する接続台数が多い

Wi-Fiを使用している機器が密集していて、無線アクセスポイントに接続している端末の数が多すぎる場合があります。 この場合は、複数のアクセスポイントを設置して、通信を分散させるような設計をするとよいでしょう。

3.無線アクセスポイントからの電波が弱い

アクセスポイントからの距離が遠い場合や、アクセスポイントと端末との間に壁等の遮蔽物があると、電波強度が弱くなり通信が不安定になります。 端末で電波強度を確認し、弱いようであれば、アクセスポイントに近くに移動したり、物理的に移動できないようであれば、アクセスポイントの増設等の対処が考えられます。

4.Wi-Fiの規格が古い

アクセスポイントまたは、端末が古く、Wi-Fiの通信規格が11b、11gなど旧世代のものが使用されている場合があります。 近年のトラフィック量を鑑みると、そのような旧世代の規格ではすでに力不足となっているため、 最新のWi-Fi6(802.11ax)対応のものに変更すると改善するかもしれません。

5.機器の不具合

上記の原因以外として無線APの不具合の可能性があります。 電波干渉や遮蔽物、接続台数に問題が無い場合は機器自体の不具合を疑います。 不具合の場合は機器の交換をおすすめします。

Wi-Fi6で改善する

また、上記で上げた原因の多くは、Wi-Fi6によって大きく改善されることが期待できます。

1.高速

最近では、インターネット動画の高解像度化や、シンクライアントシステムによる映像転送など、大容量かつ低遅延の通信環境が求められています。 「Wi-Fi 6(11ax)」の最大通信速度(理論値)は、「Wi-Fi 5(11ac)」と比べて約1.4倍も高速です。 8Kや4Kといった高解像度の映像配信が可能になったり、通信の順番待ちが発生しにくい設計となっているため、通信の引っ掛かりを体感することも少なくなるでしょう。 しかも、5GHz帯と2.4GHz帯の両方で、Wi-Fi6の恩恵を受けることができます。

2.干渉に強い

同時接続台数が増えると、旧世代のWi-Fi規格では、通信が混雑しやすくなり、通信が不安定に陥ることが多々ありました。 「Wi-Fi 6(11ax)」では、「直交周波数分割多元接続(OFDMA)」という技術が採用されており、多台数の機器が同時にWi-Fiにつながっている状態でも、通信の順番待ちが発生しにくいので、快適にWi-Fiを利用できます。

3.低遅延

Wi-Fi6では、「MU-MIMO(Multi User Multiple Input Multiple Output)」がさらに強化されています。 MU-MIMOはWi-Fi5から新たに実装された機能で、複数のWi-Fi子機に対して同時にデータを送信できる機能です。ちなみに、それ以前のWi-Fiでは、複数のWi-Fi子機と同時にはデータをやり取りできず、1台ずつ切り替えながら順番に通信しました。 Wi-Fi6のMU-MIMOは、Wi-Fi5の最大4台から最大8台へ同時に通信できる台数が増え、多くのWi-Fi子機が同時に通信している際の通信効率が向上しています。さらに上り方向の通信にも対応したため、上り方向の通信に対しても、効率的に通信できようになりました。

4.セキュリティ強化

セキュリティが強化されていることもWi-Fi6の大きなメリットです。 Wi-Fi6には従来のセキュリティ規格「WPA2」の後継規格「WPA3」が用いられています。WPA3は、WPA2の脆弱性を解消した最新のセキュリティ規格で、外部からの侵入や盗聴などに対する安全性・堅牢性が大幅に向上しています。