はじめに
SmartBeeのサービスをご利用いただきありがとうございます。今回のコラムでは、Webサイトを安定、かつ安全に運営するためのモニタリングについて説明します。
モニタリングの基本
Webサービスでの運用では、モニタリングがシステムの正常性を保つうえで不可欠です。モニタリングによって、リソースやアプリケーションの状態を常に把握し、潜在的な問題や障害の発生を早期に検知することができます。本記事では、モニタリングの基本的な対象と、それぞれが防ぐべきリスクについて解説します。
インフラレベルのモニタリング
インフラのリソース(例: 仮想マシンやコンテナ)の監視は、最も基本的なモニタリング対象です。具体的には、以下の指標が含まれます。
CPU使用率
過負荷によるシステム遅延や障害を防ぐために監視します。
メモリ利用料
メモリ不足が発生すると、アプリケーションがクラッシュする可能性があります。
ディスクI/O
高いディスク使用率はストレージ性能の低下を引き起こし、データベースやファイル操作が遅れるリスクがあります。
ネットワークトラフィック
過剰なネットワーク利用や異常なトラフィックは、DDoS攻撃や構成ミスの兆候である可能性があります。
アプリケーションレベルのモニタリング
Webサービスでは、アプリケーションの動作状況もモニタリングの重要な対象です。具体的には以下の指標が含まれます。
リクエストのレイテンシ
レスポンス時間が長い場合、ユーザー体験が損なわれ、サービスへの影響が発生します。
エラーレート
アプリケーション内で発生するエラー(例: HTTP 500エラー)は、障害の初期兆候となります。
スループット
処理量が急増したことにより、レスポンス時間が長くなる場合があります。この場合、アプリケーションがスケーリングして需要に対応できるか確認する必要があります。
ネットワークレベルのモニタリング
Webサービスのネットワークは、外部通信や内部通信を含む構成を持つため、ネットワークの可視性が重要となります。そのための具体的な指標は以下となります。
帯域幅
過剰な帯域幅使用は、他のサービスに影響を与える可能性があります。
パケット損失率
データ転送の損失は、ユーザーへのサービス提供を妨げる原因となります。
遅延
ネットワーク遅延が長時間続くと、アプリケーションパフォーマンスに深刻な影響を及ぼします。
セキュリティのモニタリング
Webサービスではセキュリティリスクへの対応が欠かせません。セキュリティの観点から以下の項目を監視する必要があります。
不審なログイン試行
アカウントの不正アクセスを防止します。
異常なトラフィックパターン
内部脅威や攻撃の兆候を早期に検出します。
セキュリティグループの設定変更
意図しない変更がないか確認します。
モニタリングツールの活用
上記のようなモニタリングを効率的に実施するため、監視のためのツールがクラウドでは提供されております。以下は主要なツール例となります。
AWS CloudWatch
AWS環境でのリアルタイムでのメトリクス収集とアラート機能を提供します。
Azure Monitor
Azure環境全体のモニタリングを一元化します。
Cloud Monitoring
GCP環境でのモニタリングを提供します。
Prometheus
オープンソースで、カスタマイズ性の高い時系列データベースを提供します。
Grafana
データを視覚化し、ダッシュボードを作成するためのツールです。
おわりに
モニタリングは、Webサービスにおけるリスクを軽減し、システムの可用性を向上させるための基盤です。適切な対象を監視し、リスクを把握することで、迅速かつ正確な対応が可能になります。
SmartBeeでも、サービスを安定してご利用いただくため、こうしたモニタリングを含めたサービスを心がけてまいります。
最後に、少しでもSmartBeeに興味をもたれましたら、お問い合わせをいただければ幸いです。
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