Cato Cloudのユースケース#6

  • セキュリティ
  • ゼロトラストセキュリティコラム

最終更新⽇:

掲載⽇:

# はじめに

京セラみらいエンビジョン ICTインフラソリューション部のトンナムと申します。
前回ではCatoの概要について紹介しました。まだ見ていない方は是非チェックしていただくと幸いです。
つづいて今回では具体的にイメージいただくためにCatoのユースケースをご紹介させていただきます。
そのあとセキュリティ機能の概要について簡単に触れてまいりたいと思います。

# ユースケース

第6回ゼロトラストセキュリティコラム-01.png

ユースケース:インターネットを経由する本社/DCと海外拠点間の通信の遅延

インターネット経由で本社/データセンターと海外拠点間の通信に遅延が生じる課題は、多くの企業がグローバルなネットワークを構築している際に遭遇する一般的な問題です。

遅延は、通信データが本社/データセンターと海外拠点を結ぶ際に、ネットワーク経由で複数の中継点を通るために発生します。これはデータパケットが物理的な距離を移動するために必要な時間や、ネットワークの混雑や転送速度によるものです。

具体的な遅延の影響としては、以下のような事象が挙げられます:

1.通信の遅れ: データパケットが海外の拠点から本社/データセンターまで到着するまでに時間がかかり、通信の遅れが生じます。これは特にリアルタイム性の重要なアプリケーションやビデオ会議などで問題となります。

2.パフォーマンスの低下: データが往復する間に遅延が生じるため、アプリケーションのパフォーマンスが低下する可能性があります。応答時間が遅くなり、ユーザーエクスペリエンスが損なわれることがあります。

3.データの損失やエラー: 遅延が大きい場合、通信データが中途で失われる可能性があります。また、データパケットが正しく到達しない場合には、再送が必要になり、通信効率が低下します。

CatoのSASEクラウドは、このような遅延課題を解決するために設計されています。グローバルなプライベートバックボーンと仮想化されたPoPを活用することで、直接的な経路でデータを転送し、最短距離で通信を行います。これにより、遅延が最小限に抑えられ、高速かつ安定した通信が可能になります。さらに、Catoのクラウドネイティブアーキテクチャにより、企業はオンデマンドでリソースをスケーリングすることができ、柔軟なネットワーク環境を実現できます。

第6回ゼロトラストセキュリティコラム-02.pngさらにCatoクラウドを利用することで、キャリア同等の高速かつ低遅延な通信をより低コストで実現できます。従来のキャリアが提供する専用閉域網に比べて、Catoのクラウドベースのアプローチにより、以下のようなコスト削減のメリットがあります:

1.回線費用の削減: Catoのグローバルなプライベートバックボーンを利用することで、高額な専用回線の契約や運用コストを節約できます。Catoクラウドを通じて、海外拠点と本社/データセンターを低コストで接続できます。

2.通信費用の最適化: Catoの仮想化されたポイントオブプレゼンス(PoP)を活用することで、ネットワーク経路を最適化し、効率的な通信を実現します。これにより、必要な帯域幅を必要な時に提供し、無駄な通信費用を削減できます。

3.オンデマンドなリソース管理: Catoのクラウドネイティブアーキテクチャにより、必要に応じてネットワークリソースをスケーリングできます。これにより、必要な時に適切なリソースを提供し、無駄なリソースの使用を回避できます。必要な通信容量が増減する場合でも、適切なコストで対応できるため、コスト効率が向上します。

4.管理コストの削減: Catoのクラウドネイティブなアプローチにより、ネットワークの管理が簡素化されます。ネットワークインフラの設定や管理にかかる時間や労力が減り、管理コストを削減できます。

これらの要素により、Catoのクラウドを利用することで、キャリア同等の高速かつ低遅延な通信をより低コストで実現できるため、企業はネットワークインフラストラクチャを効率的に最適化することができます。

# まとめ

前回、Catoの機能についてご紹介させていただいた上で、今回は実際のようなユースケースをご紹介いたしました。最後にどんな企業がCatoを活用すると必ず成果が上げるのをご紹介させていただきます。

1.グローバル展開をする企業
グローバルな展開を行っている企業や、複数の地理的に分散した拠点を持つ企業にとって、Cato Cloudは地域や国境を超えたセキュアなネットワーク接続を提供します。国際的な通信が必要なビジネスにおいて、高速かつ信頼性のあるネットワークが重要です。

2.リモートワーカーを多く抱える企業
リモートワーカーや遠隔地からアクセスする社員が多い企業にとって、Cato Cloudはセキュアなリモートアクセスを提供するためのソリューションとして適しています。従業員が様々な場所から安全に企業リソースにアクセスできる環境を提供します。

3.クラウドアプリケーションを利用する企業
クラウドネイティブなアーキテクチャを持つCato Cloudは、クラウドアプリケーションを多く利用する企業に適しています。クラウド環境との統合を強化し、クラウドサービスへのアクセスやパフォーマンスを最適化します。

4.セキュリティ強化が求められる企業
セキュリティが重要な課題である企業にとって、Cato Cloudは統合されたセキュリティ機能を提供し、ゼロトラストアーキテクチャを採用することで、ネットワーク全体をセキュアに保護します。特に機密情報や個人データの取り扱いが多い業界に適しています。

5.スケーラブルなネットワークを求める企業
拡張可能なネットワークインフラストラクチャを必要とする企業にとって、Cato Cloudはクラウドネイティブなアーキテクチャを活用して柔軟でスケーラブルなネットワーク接続を提供します。急速な成長や変化に柔軟に対応できます。

これらの要素に合致するビジネスがCato Cloudを活用し、セキュアで効率的なネットワーク接続を実現することができます。

# おわりに

Catoの紹介はここまでとなります。ここまでは第1回から第6回でゼロトラストセキュリティの概要、SASEの概要、CatoCloudの概要に触れてきました。次回からはCatoの特徴的な機能にフォーカスを当てて、実機のDashboard画面や検証なども交えつつより興味をもっていただけるような内容を紹介していく予定です。ご期待ください。