はじめに
SmartBeeのサービスをご利用いただきありがとうございます。
今回のコラムでは、Webサイトの安定性を高めるための技術の一つである負荷分散に関して記載していきます。
なぜWebサイトは重くなるのか?
SmartBeeを使っていて、同じ操作をしているのに時間がかかったり、処理が終わらなかったりする経験はありますでしょうか?
この要因として、同時にたくさんの人がSmartBeeにアクセスし、利用することでサーバに大きな負荷がかかり、処理が追いつかなくなっているために発生するということがあります。(もちろんお客様の通信速度が遅い、通信環境が悪い等、いくつかの他にも要因がありますが)
負荷分散とは?
負荷分散とは、複数のサーバで処理を分担することで、1つのサーバにかかる不可を軽減し、Webサイトの安定性を高める技術のことです。例えば、レストランで、たくさんの人が同時に食事を頼んだとします。1人のシェフが全ての料理を作るのは大変ですよね。そこで、複数のシェフで料理を分担すれば、お客さんはスムーズに料理を味わえます。Webサイトの負荷分散も、これと同じようなイメージです。
負荷分散の仕組み
ロードバランサー
負荷分散の中心となるのがロードバランサーです。ロードバランサーは、利用者からのアクセスを複数のサーバに振り分ける役割を担います。主なロードバランサーの役割を以下に示します。
トラフィックの振り分け:
どのサーバにリクエストを送るかを決定します。
負荷状況の監視:
各サーバの負荷状況を監視し、最適なサーバにリクエストを送ります。
障害発生時の対応:
障害が発生したサーバを自動的に除外するなど、システムの安定性を維持します。
負荷分散アルゴリズム
ロードバランサーでは用途や状況に応じて、様々な負荷分散の仕組みがあります。代表的なものを以下に示します。
ラウンドロビン方式:
リクエストを順番に各サーバに振り分ける最も単純な方式です。
重み付けラウンドロビン方式:
サーバごとに重み付けを行い、処理能力の高いサーバに多くのリクエストを送る方式です。
最少接続方式:
接続数が少ないサーバに優先的にリクエストを送る方式です。
レスポンス時間方式:
応答時間が短いサーバに優先的にリクエストを送る方式です。
負荷分散のメリット
今まで示したように負荷分散を行うことのメリットとして、応答までの時間短縮を行い、Webユーザ体験や満足度の向上につなげる高速化がありますが、それ以外のメリットも下記に示します。
高可用性:
複数のサーバで処理を分担することで、1つのサーバが故障してもサービスが継続できます。サーバが稼働する地域を複数に分割することで、災害発生時にも被災していない地域のサーバで処理を行うことで、サービスを継続することができます。
拡張性:
サーバを追加することで、簡単に処理能力を拡張できます。新規サービスや利用者の増大があった際に追加したサーバに処理を振り分け対応させることで、安定したサービスにつながります。
各クラウドサービスにおける負荷分散
クラウドサービスでも負荷分散を実現できるサービスを提供しております。
AWS:
Elastic Load Balancing (ELB)を提供。アプリケーションロードバランサー、ネットワークロードバランサーなど、様々な種類のロードバランサーが利用できます。
Google Cloud Platform (GCP):
HTTP(S)ロードバランサー、TCPロードバランサーなど、柔軟な負荷分散機能を提供します。
Microsoft Azure:
Azure Load Balancerを提供。アプリケーションゲートウェイや内部ロードバランサーなど、様々なシナリオに対応できます。
おわりに
負荷分散はWebサイトの安定稼働に欠かせない技術です。この記事では、負荷分散の概要や基礎的な仕組みやメリット、そしてクラウドサービスにおける負荷分散について解説しました。
SmartBeeでも、少しでも多くの利用者が利用しやすく、使いやすいサービスを目指しているため、こうした負荷分散を意識したサイト構築を心がけてまいります。
最後に、少しでもSmartBeeに興味をもたれましたら、お問い合わせをいただければ幸いです。
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作業項目や現場情報の一括管理を可能にするクラウドサービスです。
SmartBeeを導入すれば、管理業務の負担が減るばかりでなく、点検現場の状況をリアルタイムで把握でき、ミスやコスト削減につながります。