ICTインフラソリューション部のグエンです。前回は、Novaの概要について説明しました。
今回は、Novaの機能であるインスタンス(クラウドコンピューティング環境で実行される仮想マシンまたは仮想サーバー)の操作について詳しく説明します。
以下に、インスタンス作成の全体フローを説明します。
① プロジェクト選択: 作業するプロジェクトを選択します。
② Computeセクション選択: インスタンスの管理に関連する機能を提供するComputeセクションを選択します。
③ インスタンス作成: インスタンス起動のボタンをクリックして新しいインスタンスを作成します。
④ インスタンス設定: インスタンスの名前、サイズ、イメージ、ネットワークなどを設定します。
⑤ 確認: 設定が正しいか確認し、必要に応じて変更を加えます。
⑥ インスタンス起動: インスタンスを起動して仮想マシンを作成し、リソースを割り当てます。
⑦ 監視: インスタンスの状態やリソースの使用状況を監視します。
⑧ 完了: インスタンスが正常に起動し、必要なリソースが割り当てられたら、作業は完了です。
以上の流れでインスタンスを作成します。インスタンスを作成して理解しましょう。
インスタンス作成
1. Horizonでインスタンス作成
ダッシュボードで「Compute」(コンピュート)セクションを見つけます。
「Instances」(インスタンス)をクリックして、現在のインスタンスのリストが表示されるページに移動します。
最初は作成したインスタンスがないので、インスタンスリストがありません。
画面右上にある「Launch Instance」(インスタンスを起動)ボタンをクリックします。
「Instance Name」(インスタンス名): 新しいインスタンスの名前を入力します。
「Count」(インスタンス数):インスタンス数を入力します。
「Source」(ソース):使用するイメージを選択します。
これは、新しいインスタンスのベースとなるOSイメージです。
この例では、使用可能なイメージ「cirros-0.6.2-x86_64-disk」を選択します。
「Flavor」(フレーバー):仮想マシンのハードウェア構成を定義するテンプレートです。
これには、vCPU数、メモリ量、ディスク容量などが含まれます。
これらのフレーバは、ユーザーがインスタンスを作成する際に使用され、必要なリソースを柔軟に指定できるようにします。
5つのフレーバーのテンプレートについて以下に示します。
この例では、m1.microを選択します。
「Networks」(ネットワークス):インスタンスが使用するネットワークを選択します。
以上の設定項目を完了したら、「Launch Instance」をクリックし、インスタンスを起動します。
Horizonでインスタンス状態を確認できます。以下の例は test インスタンスを起動しています。
CLIで openstack server list を入力すると、インスタンス状態を確認できます。
以上、Horizonでのインスタンス作成を説明しました。
2. CLIでインスタンス作成
まず、インスタンスの一覧表示、インスタンスの状態を確認します。
$ openstack server list |
何も表示されていない場合、インスタンスがない状態になります。次に、イメージの一覧表示、イメージの状態を確認します。
$ openstack image list |
ここには、「cirros-0.6.2-x86_64-disk」のイメージがあります。次に、フレーバーの一覧を表示します。
$ openstack flavor list |
利用可能なフレーバーがいくつか存在します。最後に、ネットワークを確認します。
$ openstack network list |
ここでは、利用可能なNetworkを確認できました。
インスタンスを作成するために、フレーバーとイメージ名(名前が一意な場合)とネットワークを用いたインスタンスの起動は、以下のコマンドを入力します。
$ openstack server create --image <イメージ名> --flavor <フレーバー名> --network <ネットワークID> <インスタンス名> |
作成したインスタンスの詳細の情報(フレーバー、イメージ、セキュリティグループなど)を確認することができます。
CLIで作成したインスタンスをHorizonでも確認できます。
インスタンスを停止する場合、以下を入力すると、インスタンスが停止します。
$ openstack server stop test |
また、
$ openstack server delete <インスタンス名> |
を入力すると、インスタンスが削除されます。
インスタンスの他の操作
一時停止:インスタンスの状態をメモリに保存して、その場で停止します。
ハイバネーションのような動作ですが、メモリはそのまま保持されます。
$ openstack server pause <インスタンス名> |
一時停止解除:インスタンスの一時停止状態を解除します。
$ openstack server unpause <インスタンス名> |
休止:インスタンスの状態をディスクに保存し、その場で停止します。
通常、ハイバネーションのような動作ですが、メモリは解放されます。
$ openstack server suspend <インスタンス名> |
休止解除:インスタンスの休止状態を解除します。
$ openstack server resume <インスタンス名> |
停止:インスタンスを停止します。
$ openstack server stop <インスタンス名> |
起動:停止しているインスタンスを起動します。
$ openstack server start <インスタンス名> |
レスキュー:インスタンスをレスキューモードに移行させるためのものです。
レスキューモードでは、通常起動できなくなった仮想マシンにアクセスするための簡易な環境が提供されます。
これにより、システムのトラブルシューティングやデータの修復が可能になります。
$ openstack server rescue <インスタンス名> |
$ openstack server rescue <インスタンス名> --rescue_image_ref <救助イメージ> |
リサイズ:インスタンスのサイズを変更します。
$ openstack server resize <インスタンス名> <フレーバー> |
再作成:インスタンスを再作成します。
これにより、指定したイメージを使用して、インスタンスのOSも再度構築できます。
$ openstack server rebuild <インスタンス名> <イメージ名> |
リブート:インスタンスを再起動します。
$ openstack server reboot <インスタンス名> |
第5回は以上になります。次回、Glanceを具体的に説明します。
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