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プロジェクトメンバー座談会

KCMEのローカル5G導入支援サービスの取り組みについて

  • Fukuda
    Hiroaki
    福田 浩明
    福田 浩明
    ICTインフラソリューション部 課長

    ネットワークエンジニアとして、製造業から観光庁まで幅広いクライアントのインフラ構築案件を担ってきた。仮想化系技術・クラウド系技術にも明るい。現在は、ネットワーク/セキュリティ系事業部門のプリセールスで活躍している。

  • Tye
    Jihye
    崔 智恵
    崔 智恵
    5Gソリューション推進課

    韓国出身。浙江大学(中国)を卒業し、KCME入社後すぐにローカル5Gプロジェクトにアサインされる。当初は、主に米国5G無線機ベンダーとの間で通訳・翻訳を担ったが、徐々に周辺技術を吸収し、プロジェクトになくてはならない人材に育ちつつある。

  • Kado
    Yutaro
    加戸 雄太郎
    加戸 雄太郎
    通信建設部 係責任者

    これまでのキャリアの中で、複数の移動体通信事業者の基地局・中継局の施工管理業務を担ってきた。ローカル5Gでは4Gまでの基地局設置とは異なり、閉塞空間での作業が多くなることから、安全管理についての準備を重点的に進めている。

  • Sato
    Toshiya
    佐藤 俊哉
    佐藤 俊哉
    5Gソリューション推進課 課長

    2005年入社。前職から外資系基地局ベンダー関連業務に従事し、KCMEに転職後も、携帯電話基地局の現地調整作業・インテグレーション作業でキャリアを積む。2Gから現在の5Gに至るまで、モバイル通信のインフラ技術最前線を歩んできた。

5Gの超高速・超低遅延・多数同時接続という特長を活かして、特定エリア・特定用途で新たなソリューションを実現する「ローカル5G」の実用化が進み始めています。スマート農業やスマートファクトリー、土木建設工事の自動化、高度監視・警備、ARやVRの実用化など、ローカル5Gが引き寄せる可能性は無限大とも言えます。また、KCMEはSDGsの「住み続けられるまちづくり」の実現を目指しており、人々の生活や社会を一変させる可能性を持つローカル5Gは、重要な役割を果たすと考えています。
ここではトータルな導入支援サービスの提供に向け、既にさまざまな取り組みに着手したKCMEのローカル5Gプロジェクトについて、最前線で活躍するメンバーたちに語ってもらいました。

01

2Gからモバイルインフラを担ってきたKCME

KCMEがローカル5Gに注力する背景について教えてください。

佐藤

KCMEは今日に至るまで、2G、3G、4G…と、基地局の設置工事を中心に、ユーザーの端末をキャリアの回線につなぐ、モバイルインフラの整備を担ってきました。ローカル5Gでも、私たちが蓄積してきた技術やノウハウを活かせる場面が数多くあると考えています。

加戸

私たちが着実にインフラ展開を進めることで、後からアプリケーションが追随してくるはず。ですから私たちの役割の重要さを強く感じています。それに、ローカル5Gで得た知見は、次の6Gへ向かう際に不可欠。全社を上げて取り組むのは当然と言えるでしょう。

福田

現在のところ、設備がまだまだ高額ということが、ローカル5Gの爆発的な広がりを妨げています。しかし、設置台数を増やしていくことで導入価格は下がりますし、使用できるソリューションが続々と現れ、普及は加速するでしょう。私たちはその先鞭をつけようとしています。

新人の私は、多くの先輩方からいろいろと教えていただくうちに、皆さんが自信を持ってローカル5Gに取り組んでいるのが伝わってきました。KCMEには新しいモバイルインフラ技術に挑み、それを事業として軌道に乗せるDNAが息づいているのだと感じました。

02

次々とマイルストーンを通過

現時点でのローカル5Gプロジェクトの進展状況を教えてください。

福田

ローカル5G導入では、ネットワークインフラ周りだけに対応すれば良いのではなく、無線部分やサーバについても対応しなければならず、当初は苦労しました。現在では全体構成を考えるようになり、テストで下り1ギガbpsを出せるようになっています。

佐藤

某大手通信事業者が、東京と新潟をつないで行った実証実験にインフラ構築で参加したのですが、最終的に、無線で映す4Kのビデオ会議システムが遅延なく実行できました。VR機器を使ったテストでもデータの遅延は感じられなかったです。

その実証実験は、最初は障害が発生して、KCMEとタッグを組んで参加した米国JMA社の無線機器が原因ではないかと疑われました。調査したところ、他の設備に起因していたことが分かってホッとしました。最先端の実証実験の緊張感を味わいました。

加戸

施工担当としては、ローカル5Gの案件では安全管理を今まで以上に強く意識しています。4Gまでの基地局設置工事と異なり、狭い天井裏での配線作業や壁面への機器取り付け作業等が発生するので、複雑化する工事を安全に進めるノウハウを蓄積している段階です。

03

この課題を克服すればさらに前に進める

現在、目の前に立ちはだかっている壁はどのようなものですか。

佐藤

先程の実証実験で発生した障害が象徴的なのですが、ローカル5Gは新しい設備や技術を投入しつつ、無線ネットワークが目に見えないことから、障害原因の切り分けが難しいですね。そのノウハウを獲得する必要があると感じています。福田さん、ネットワーク構築を進めていていかがでしょうか?

福田

確かにサーバやスイッチなど有線の部分を含めても、遅延がどこで起きているのか、確認するのにまだ時間がかかっています。それでも奮闘する中でノウハウは溜まってきていて、実用に近づいている手応えはあります。

新潟まで足を運んで、障害の原因究明に追われたのは大変でした。でも、その中で必死に対応することで、ローカル5Gについての新たな知見を得ることができました。私は文系出身で、技術についてまだ分からないことも多く日々勉強中なのですが、ローカル5Gの取り組みを前進させることに貢献でき、嬉しかったです。

加戸

崔さんには、海外協力会社との通訳を担当いただき、とても助かっています。協力会社との綿密なコミュニケーションは欠かせないので。最先端だから、誰でも分からないことが多々あります。例えば機器の仕様が決まっていても、その中身を把握できていないことや、調べていく中で気づくこともあります。それを一つひとつクリアにしていくことで、ゴールが見えてくるのでしょう。

04

5Gで引き寄せられる夢は大きい

KCMEのローカル5Gで何を実現したいですか。

福田

学校に大容量通信が可能なローカル5Gを導入し、4K映像による仮想空間で遠隔授業を行うことで、教育現場の教員不足が解消できるのではないかと考えています。他の学校や企業とつながれば、多様性のある学びの場を創出できるでしょう。

加戸

教育現場以外でも、例えば、農業分野で活用することで、労働力不足の解消にもつなげることができそうですね。また、もっと先の話なのですが、6Gでは人間の意思疎通速度を超えるモバイルネットワークが出現することになり、ARやVRが完璧に動作するワクワクした世界がやってきます。そのためにローカル5Gを通して、5Gの世界を確実に構築したいと思います。

夢がありますね。メタバースのような仮想空間で楽しめるサービスがたくさん増えそうですね。リアルと仮想の二つの空間を楽しむことで、人生がもっと豊かになるように思います。頑張って、ビジネスを立ち上げて成功するようなチャンスも出てきそうです。

佐藤

何でも遠隔でできる、アニメや映画のような世界が、すぐそこまでやってきているように感じています。仕事の進め方に関しても、遊びや休日の過ごし方に関しても、今までの概念を覆す世界をもたらす当事者として活躍したいですね。